この記事の結論
この記事で決める3つ
最初に直すところ
希望の集め方
組む順番
先に固定枠から
機械に任せる線
数えられる条件まで
出典: JASPA 自動車特定整備業実態調査 / 厚生労働省(本文・出典欄に記載)
目次
  1. シフト作成の時間は、どこで消えているか
  2. 最初に直すのは、希望の集め方
  3. 先に埋める枠から組む、やり直しを減らす段取り
  4. 時間外の上限を、組みながら見る
  5. 手作業で続けるか、システムに任せるか
  6. 急な交代に強い表にして、定着につなげる
  7. よくある質問

シフト作成の時間は、どこで消えているか

月末になると、あなたは事務所で社員一人ずつに「来月の休み希望は」と聞いて回り、もらったメモを並べて、空いた枠をパズルのように埋めていく。気づくと半日が消えている。整備工場のシフト作成で時間を取られているのは、多くがこの場面です。

ここで大事なのは、重いのが「組む作業」だけではない点です。希望を聞いて回る往復、口頭で聞いた内容の書き写し、後から来た「やっぱりこの日休みたい」の差し替え。組む前の段取りに、まとまった時間が消えています。だから先に手をつけるのは、組み方の工夫より、希望をどう集めるかのほうです。

最初に直すのは、希望の集め方

希望の集め方を変えるだけで、あなたが聞いて回る時間はほぼ消えます。やり方は1つに絞ります。締め日を決めて、社員が同じ1枚の表へ自分で書く形にします。

締め日を1つ決める

「毎月25日までに来月の希望を出す」と決めます。締め日を過ぎたら、出していない人は出勤扱いで組む、と先に伝えておくと、催促の手間も消えます。

書く場所を1か所にする

休憩室に貼った紙でも、共有のExcelでも、まずは1か所に統一します。複数の場所に散らばっていると、あなたが集めて回る往復が残り、肝心の時間が減りません。

出してほしい項目を3つに固定する

「休み希望日」「早番・遅番の希望」「絶対に出られない日」の3項目だけに絞ります。自由記入を増やすと読み解きに時間がかかるので、選ぶだけで済む形にします。

この時点ではシステムを入れる必要はありません。紙やExcelのままでも、集め方を決めるだけで前半の手間は大きく減ります。あなたの店で一番ありがちなのが「口頭で聞いて回っている」なら、まずここを直すと効きめがすぐ出ます。

先に埋める枠から組む、やり直しを減らす段取り

希望が1枚に集まったら、組む順番を決めます。空いた枠を端から埋めていくと、後で必要人数が足りずに組み直しになります。動かせない枠から先に固定すると、やり直しが減ります。

順番 先に決めること 見るもの
1番目 日ごとの必要人数 車検の入庫予定・曜日ごとの来店の波
2番目 動かせない枠 承認した希望休・定休・通院などの固定予定
3番目 残りの枠の割り当て 早番・遅番の希望・資格や担当の偏り

1番目の必要人数を先に出すのが肝心です。車検の繁忙期と閑散期では、1日に置きたい整備士の数が変わります。月初に「この日は3人、この日は2人」と必要人数を先に書いてしまえば、後の割り当てが楽になります。承認した希望休を2番目で固定し、最後に残りを埋めれば、足りない日が早く見つかります。

必要人数は「車検の入庫予定」から逆算する。勘で「だいたい2人」と置くより、入庫予約の入っている日から必要な人数を割り出すほうが、当日の人手不足を防げます。入庫予約をWebや台帳でまとめていれば、その数字をそのまま使えます。

時間外の上限を、組みながら見る

シフトを組むときに、もう1つ手で確かめているのが残業の累計です。時間外労働の上限は法律で決まっていて、原則は月45時間・年360時間です。中小企業にも2020年4月から適用されています。繁忙期に特定の整備士へ仕事が偏ると、この上限に近づきます。

手作業では、月末になって「この人、もう45時間を超えそうだ」と気づき、慌てて組み直すことになりがちです。組む途中で一人ずつの累計が見えていれば、偏る前に別の日へ回せます。紙やExcelでも、社員ごとに月の合計時間を出す欄を1つ足すだけで、後追いの組み直しが減ります。上限の管理を法律の側が求めている以上、合計時間を見ながら組む形は、いずれ避けて通れなくなります。

手作業で続けるか、システムに任せるか

ここまでの段取りは、紙やExcelのままでも回せます。では、いつシステムに任せると楽になるのか。判断は「何が増えてきたか」で分かれます。

任せ方には線を引きます。自動で組ませるのは「必要人数を満たす」「希望休を外さない」「上限時間を超えない」という、機械で確かめられる条件まで。誰と誰を同じ日に組むと現場が回るか、新人にベテランを必ず付けるか、といった呼吸は、あなたが最後に手で直すほうが現実的です。叩き台を機械に作らせ、仕上げを人がやる切り分けにすると、時間が減って質も落ちません。

勤怠とつながるかを確かめる。シフトで組んだ予定が、そのまま出退勤の打刻や月の集計につながると、二度入力が消えます。シフトだけのツールを別に持つより、勤怠と一続きで見られるかを、選ぶときの目安にします。

急な交代に強い表にして、定着につなげる

シフト作成を楽にする話は、社員に長く働いてもらう話と一続きです。整備の人手は増やしにくい状況が続いています。自動車整備士の有効求人倍率は令和6年度(2024年度)で5.45倍と、全職業平均の1.25倍を大きく上回り、新しく雇うのは簡単ではありません。整備要員の平均年齢も令和5年度で47.2歳まで上がっています。雇うのが難しいなら、いまいる社員に辞められない工夫のほうが効きます。

希望休がきちんと通る、急な事情で休みたいときに代わりが見つかる、特定の人だけに残業が偏らない。この3つが守られているシフトは、社員にとって働きやすさそのものです。あなたが組み方を整えることは、回り道に見えて、定着に直接効きます。シフトを組む半日を減らすことと、社員に長くいてもらうことは、別々の話ではありません。

自店のシフト作成、どこから楽にできるか相談したい

希望の集め方・組む順番・システムに任せる線引き。自店の人数と車検の波に合わせて、どこから手をつけると効きめが大きいか相談を受け付けます。

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お問い合わせ窓口は近日開設します。

よくある質問

シフト作成にかかる時間を、まず何から減らせばいいですか。
希望を集める手間から減らすと効きます。あなたが社員一人ずつに口頭で休み希望を聞き、メモを突き合わせている時間が、作成全体の前半を占めているからです。希望の出し方を「毎月25日までに同じ表へ書く」と決めるだけで、聞いて回る往復が消え、組む作業に集中できます。
Excelのシフト表のままで続けられますか。
数人で、希望もほとんど変わらないなら、Excelの表で十分なことがあります。ただし、車検の繁忙期で必要な人数が日ごとに変わる、有給や時間外の上限を見ながら組む、急な交代が月に何度も入る、という場面が増えてきたら、シフト機能のあるシステムのほうが楽になります。時間外労働の上限が法律で月45時間・年360時間と決まっている以上、合計時間を自動で見てくれる仕組みは外しにくくなります。
システムに任せると、現場の細かい都合を無視した表にならないですか。
任せきりにすると、その心配は当たります。自動で組ませるのは「必要人数を満たす」「希望休を外さない」「上限時間を超えない」といった機械で確かめられる条件までにして、誰と誰を同じ日に組むかといった現場の呼吸は、あなたが最後に手で直すのが現実的です。叩き台を機械に作らせ、仕上げを人がやる切り分けにすると、時間が減って質も保てます。
なぜ整備工場でシフト作成の負担がいま増えているのですか。
人を増やしにくいまま、一人ひとりの働き方を細かく見る必要が出てきたためです。自動車整備士の有効求人倍率は令和6年度(2024年度)で5.45倍と、全職業平均の1.25倍を大きく上回り、新しく雇うのが難しい状況が続いています。残った社員の希望休や時間外を丁寧に組まないと辞めてしまうので、社長が組むシフトの細かさが上がっています。
参考(2026-06-04 取得)