はがきの反応が落ちて、郵送代だけ残っているなら

あなたの店で、車検案内のはがきを出しても返事が前ほど来なくなっていませんか。それでも毎月の郵送代と印刷代、宛名を書く時間は変わらずかかります。出した数のわりに予約につながらない案内は、費用だけが先に立ちます。そこでSMS(携帯番号あての短いメッセージ)を案内に使えないか、という発想が出てきます。

決めるのは「SMSを車検案内に使うか」の一点です。決め手は気分ではなく、費用・届く相手・反応の3つを数で並べることです。はがきを全部やめる話ではありません。番号がある客から順にSMSへ寄せ、はがきは残す客に絞る、という分け方が現実に合います。

SMSが届く理由 ― 番号は変わりにくく、手元で読まれる

SMSが車検案内に向くのは、宛先が生き続けるからです。スマートフォンを持つ世帯は90.5%、個人でも保有は8割を超えます(総務省・令和6年通信利用動向調査)。携帯番号は番号ポータビリティで、会社を変えても同じ番号を使い続けられます。住所が変わって戻ってくるはがきと違い、番号は引っ越しても変わりにくく、宛先として長持ちします。

もうひとつは読まれ方です。はがきは郵便受けから取り出して開くまでに間が空きますが、SMSは手元の画面に短い文で出ます。車検は満了日が決まっているので、出すべき相手と時期は台帳ではっきりしています。届く宛先が広く、相手の手元で読まれる手段を、その時期に合わせて出す、という形です。

数字の出どころに注意 SMSの開封率を「90%超」と掲げる説明をよく見かけますが、その多くは送信サービス各社が自社の利用実績として出した数字で、公的な統計ではありません。案内の判断材料にするなら、自店で実際に出した通数と返信・予約の数を数えるほうが確かです。

費用は「1通あたり」でそろえて比べる

費用を比べるとき、はがきは「郵送代だけ」で見てしまいがちですが、それでは足りません。はがき1通には、切手(郵送代)・印刷代・宛名書きと封入の手間が乗ります。SMSは送信サービスの送信料が中心で、文字数や予約リンクの有無で単価が変わります。手段が違うものは、同じ「1通あたり」の物差しにそろえて並べます。

比べる項目はがきSMS
1通の費用郵送代+印刷代+宛名・封入の手間送信料(サービスにより差・文字数で変動)
届く相手住所が分かる客(転居で戻ることあり)携帯番号がある客(番号は変わりにくい)
準備の手間印刷・宛名・投函で人手と日数名簿に番号があれば一斉に送れる
向く相手高齢層・紙で安心する客スマホを使う客・登録なしの一見客

送信料はサービスによって変わるので、ここで金額は断定しません。やり方としては、自店が1年に出す案内の通数を出し、はがきとSMSのそれぞれで「100通ぶんの見積もり」を取り、自店の通数で年額に直して並べます。番号がある客にだけSMSを使えば、その分のはがき代が浮く、という引き算で効き目が見えます。

SMS・LINE・はがき・電話をどう分けるか

SMSを入れると、手段が4つに増えます。全員に同じ手段を使うと、強みが消えます。客の状態で分けると、それぞれの長所が立ちます。分け方の軸は「友だち登録が要るか」「番号があるか」の2つです。

  • SMS:携帯番号さえあれば送れます。登録していない客・一見の客にも届くので、関係をつなぐ入口に向きます。
  • LINE:友だち登録が前提です。登録済みの常連に、画像や予約リンクを添えた濃い案内を出すのに向きます。
  • はがき:番号がない客・紙で安心する高齢層に残します。手元に物として残るのが強みです。
  • 電話:返事がない客への最後のひと押しや、満了が迫った客への直接の確認に使います。

順番としては、SMSで広く出し、登録済みの常連はLINEで濃く、番号がない客にはがき、満了直前で動かない客に電話、という重ね方になります。番号やLINE登録の有無は、案内のたびに台帳へ書き足します。手段を分けるには、誰がどの宛先を持っているかが台帳でひと目で分かることが先に要ります。

SMSに書く中身と、送る前に守ること

SMSは短い画面に出るので、長い説明は読まれません。次の要素だけを、ひとつのメッセージに収めます。だらだら書かず、続きは電話か来店で受けます。

  1. 店名と、誰宛か:どこの店からの連絡か、相手の名前を入れます。差出人が分からないと、客は迷惑メッセージと見分けられません。
  2. 車検の満了月と用件:「○月で車検満了です。ご予約のご相談を」と、用件を一行で伝えます。
  3. 連絡の先:店の電話番号を入れ、返信か電話で受けられるようにします。

送る前に守ることもあります。案内は車検という用件に絞り、強い売り込みを混ぜません。販売目的の中身が濃いと、特定商取引法などの対象になり得るためです。送信は日中の常識的な時間帯にし、深夜・早朝は避けます。一度「やめてほしい」と言われた客には送りません。あなたが自分のスマホに知らない番号から営業の連続メッセージが来たらどう感じるか、を基準にすれば判断を外しません。

小さく試して、反応の数で決める

SMSを入れるかどうかは、机の上では決まりません。次の車検が来る客の一部で1回出して、数えてから決めます。乗用車の平均使用年数は13.35年と長くなっており(自動車検査登録情報協会)、一度つかんだ客とは長く付き合えます。だからこそ、案内の手段は当てずっぽうでなく、数で選ぶ価値があります。

  1. 仕分ける:次の2〜3か月に車検が来る客を、「携帯番号あり」と「番号なし・不明」に分けます。
  2. 番号がある客にSMSを出す:満了の少し前に、上の3要素だけの短い案内を送ります。
  3. 数える:返信が来た数、来店・電話があった数、予約に進んだ数を手段ごとに記録します。
  4. はがきと比べる:同じ時期のはがき案内の予約数と、1通あたりの費用で並べます。

この1回で、SMSが自店で効くかどうかが数として出ます。効けばSMSの比率を上げ、番号を集める動きを案内のたびに足します。まず今週、次に車検が来る客を番号の有無で仕分けるところから始めます。はがきの中身と送る時期の整え方は関連記事へ、LINEでの案内の作り方も別の関連記事へ続きます。