返信を読んでいるのは誰か

返信を書くとき、つい目の前の投稿者に向けて書こうとします。怒っている人にはなだめる文を、ほめてくれた人にはお礼を。けれど返信欄は、投稿した本人だけが見る私信ではありません。あなたの店のGoogleページを開いた、これから来るかもしれない人が全員読みます。返信は、その人へ向けたもう一つの紹介文だと考えてください。

地図で店を探す人は、近くて早く頼めて、安心して任せられる店を選びたい人です。古い車に乗る人ほど車検・整備で困り、頼り先を地図で探します。自動車検査登録情報協会の調べでは、2025年3月末で乗用車の平均車齢は9.44歳と、33年連続で上がり続けています。修理先を真剣に探す人が増えるほど、口コミと返信は前より読まれます。投稿者をなだめる前に、その返信を読む次の客を思い浮かべると、書く言葉が変わります。

どの返信にも共通する土台 ― 名前・速さ・作業名

良い口コミでも低評価でも変わらない土台が、名前を添える・速く返す・作業に触れるです。Googleが公式ヘルプで案内している内容とも重なります。

土台やることなぜ効くか
名前を添える返信の最後に担当者の名前かイニシャルを入れる人が返していると伝わり、信頼につながるとGoogleも案内
速く返す未返信をためず、できれば数日以内に返す客の声を大事にする店だと、次に読む人へ伝わる
作業に触れる「車検」「オイル交換」など、その来店の内容に一言触れる使い回しに見えず、何を頼める店か次の人にも伝わる

この3つを入れるだけで、定型の挨拶文より人が返している感じが伝わります。とくに名前を添えるのは、Googleが信頼性を高める方法として明記しています。長く書く必要はありません。短くても、この3点が入っていれば返信は役目を果たします。

良い口コミへの返信 ― 型と例文

ほめてもらった口コミこそ、丁寧に返す価値があります。返信が次に読む人への紹介文になるからです。「丁寧だった」「説明が分かりやすかった」と書いてくれた言葉を、お礼に重ねて返すと、その評判がそのまま次の客の安心材料になります。型はこうです。

例文:良い口コミへ

このたびは車検でご来店いただき、ありがとうございました。説明が分かりやすかったとのお言葉、スタッフ一同とても励みになります。お車のことで気になる点があれば、点検でもお気軽にお寄りください。これからもよろしくお願いいたします。(整備担当・○○)

気をつけたいのは、全部を同じ文で済ませないこと。「ありがとうございました」だけの返信が10件並ぶと、次に読む人にはすぐ分かり、かえって冷たく映ります。作業名と相手の言葉に一言触れるだけで、使い回しから抜け出せます。

低評価への返信 ― 型と例文

星1や2がつくと、消したくなるか、放っておきたくなります。けれど無言で放置するほうが目立ちます。これから店を選ぶ人は、低評価そのものより、店がどう向き合ったかを見ているからです。落ち着いた返信が1つあるだけで、低評価の印象は薄まります。低評価は、こちらに非がある場合と、行き違いの場合で書き分けます。

こちらに非がある場合

まず詫びる。言い訳から入らない。そのうえで、原因と直したことを具体的に書きます。読む人は「同じことが自分にも起きないか」を見ているので、再発を防ぐ手を打ったと伝わると安心します。

例文:こちらに非がある低評価へ

このたびはご不便をおかけし、申し訳ございませんでした。お預かりのお時間が当初のご案内より延びてしまった件、こちらの段取り不足です。現在は受付時に作業時間の目安を必ずお伝えする手順に改めました。よろしければ一度ご来店いただき、対応させてください。(店長・○○)

行き違い・受け取り方の差の場合

こちらの非と言い切れないときも、責めずに受け止めます。事実を穏やかに添えつつ、不快にさせたことへの一言を忘れない。来る人は、店が感情的に言い返していないかを見ています。

例文:行き違いの低評価へ

ご来店ありがとうございました。料金についてご納得いただけなかったとのこと、説明が足りず申し訳ございませんでした。当店では作業前にお見積もりをお渡ししておりますが、分かりにくい点があったかと存じます。ご不明な点はその場で遠慮なくお声がけください。(店長・○○)

低評価返信でやりがちな3つ

言い訳や反論を長々と書く、相手の人格に触れる、個人情報や来店の詳細を返信に書く。どれも次に読む人の印象を下げます。返信は1〜3文で十分。込み入った話は「店頭か電話で伺います」と外に出します。

事実と違う・嫌がらせへの返信

身に覚えのない口コミや、明らかに他店と取り違えた内容、来店記録のない相手からの星1。腹は立ちますが、ここでも読むのは次の客です。感情で言い返すと、たとえこちらが正しくても店の印象が下がります。まずは事実を穏やかに正す返信を残してください。

例文:事実と違う口コミへ

ご投稿ありがとうございます。お調べしたところ、ご記載の日時にお客様のご来店記録が確認できませんでした。お心当たりのある方は、恐れ入りますがお電話にて当店までご連絡いただけますと幸いです。行き違いがございましたら、誠実に対応いたします。(店長・○○)

そのうえで、Googleの方針に反する口コミは削除を申請できます。来店していない相手の投稿、関係のない宣伝、他店との取り違え、差別的な書き込みなどが対象です。ただし「内容が事実と違う」というだけでは消えないことが多く、申請しても審査に時間がかかります。削除に期待しすぎず、まず落ち着いた返信を置くほうが確実です。削除の判断と手順は、低評価そのものへの対処の記事でまとめています。

やってはいけない返信

返信は店の人柄が一番出る場所です。良かれと思った一手が逆効果になることがあるので、避けたいことを並べます。

口コミを増やすこと自体は大切ですが、見返りで星を集めたり、身内に書かせたりするのは規約違反で、信頼も壊します。集め方の正しい順番は、口コミの集め方の記事に分けました。

今日やること ― 未返信を片づける

型が分かったら、あとは手を動かすだけです。ためた未返信を全部いっぺんに、ではなく、効く順に片づけます。

今日やる返信の片づけ
  1. 自店のGoogleページを開き、未返信の口コミを「星の低い順」「新しい順」で見る。
  2. 星3以下を先に返す。上の低評価の型に、作業名と名前を当てはめる。
  3. 次に最近の良い口コミへ。お礼に作業名と相手の言葉を一言重ねる。
  4. 事実と違うものは穏やかに正す返信を置き、方針違反だけ報告を出す。
  5. これから毎週「返信の日」を1日決め、その週に来た口コミをまとめて返す。

一度型を作ってしまえば、返信は1件あたり数分で済みます。口コミは集めて終わりではなく、返信まで書いて初めて次の客に効く。口コミを増やす声かけの仕組みはGoogleの口コミを増やす方法に、地図全体の手入れの順番はGoogleマップ(MEO)の手入れにまとめています。

よくある質問

すべての口コミに返信したほうがいいですか。
良い口コミも低評価も、できるだけ返信してください。返信は投稿した本人より、これから店を選ぶ人が読みます。返信が並んでいるだけで、客の声を受け止める店だと伝わります。全部にすぐ返せないなら、星3以下と最新のものから先に返すと決めておくと回ります。
低評価の口コミに返信すると、かえって目立ちませんか。
無言で放置するほうが目立ちます。これから店を選ぶ人は、低評価そのものより、店がどう向き合ったかを見ています。事実誤認は穏やかに正し、こちらの非は詫びて直したことを書く。落ち着いた返信が1つあるだけで、低評価の印象は薄まります。
事実と違う口コミや、嫌がらせの口コミは消せますか。
Googleの方針に反する口コミは削除を申請できますが、事実と違うというだけでは消えないことが多いです。まずは事実を穏やかに説明する返信を残してください。来店記録のない相手や、他店と取り違えた内容など、明らかに方針違反のものだけGoogleに報告します。
返信は同じ文を使い回してもいいですか。
全部が同じ文だと、これから読む人にはすぐ分かり、かえって冷たく映ります。「車検ありがとうございました」のように、その口コミの作業内容に一言触れるだけで印象が変わります。最後に名前かイニシャルを添えると、人が返していると伝わり、信頼感につながります。
出典(取得日:2026年6月4日)
  1. Google「ユーザーからのクチコミを管理する」Google ビジネス プロフィール ヘルプ(返信に名前・イニシャルを添えると信頼性が上がる/速やかな返信が顧客への配慮を示す)
    https://support.google.com/business/answer/3474050?hl=ja
  2. Google「クチコミを増やすためのヒント」Google ビジネス プロフィール ヘルプ(特典提供の禁止・クチコミの方針)
    https://support.google.com/business/answer/3474122?hl=ja
  3. Google「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」Google ビジネス プロフィール ヘルプ(方針違反クチコミの報告・削除申請)
    https://support.google.com/business/answer/4596773?hl=ja
  4. 一般財団法人 自動車検査登録情報協会「わが国の自動車保有動向」(2025年3月末現在。乗用車の平均車齢9.44歳で33年連続上昇)
    https://www.airia.or.jp/publish/statistics/trend.html

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