車検は2年に一度の出費で、人は失敗したくないと思っています。だから多くの人は、店に連絡する前にスマホで「地名 車検 料金」と調べ、何軒かを見比べます。値段とその中身を見てから店を決めたい人にとって、料金のないホームページは、この見比べの段階で開かれず、候補に残りません。

電話で答えるのを基本にしていると、さらに細る場面があります。人は電話をかける前に、ネットで数軒まで絞り込みます。料金が見えない店は、その絞り込みに入れないまま落ちます。あなたが「電話で丁寧に説明すれば伝わる」と思っていても、電話してもらえなければ説明の機会も来ません。料金を出すのは、選ばれる前のふるいに残るための入口です。

車検代は2つに分けると見せやすい

料金を出すのが怖いのは、「総額の安さで負ける」と感じるからです。ここは中身を分けると見え方が変わります。車検代は、法定費用と整備料金の2つでできています。

区分中身店で変えられるか
法定費用自賠責保険料・自動車重量税・印紙代(検査手数料)変えられない。国や保険会社へ納める固定額
整備料金24か月点検・検査の手間賃、交換した部品代店ごとに違う。ここが自店の取り分

法定費用は、自動車重量税は国へ、自賠責保険料は保険会社へ、印紙代は国と検査機関へ納めるもので、店が値引きも上乗せもできません。たとえば普通乗用車の自賠責保険料は24か月で17,650円、印紙代は指定工場(民間車検場)で2,100円・認証工場で2,600円と、工場の種別が同じであれば全国どこでも同じです。つまり店ごとに差が出るのは整備料金だけ。総額の見た目に惑わされず、自店の整備料金が他店と比べて高いのか安いのかが、分けて出すと初めて分かります。

分けて出すのは法律にも沿う

整備工場が車検を引き受けるとき、点検整備料金の概算を記した概算見積書を依頼者に渡すよう、国土交通省の指導要領で定められています。同じ要領は、整備料金を車種別に事業場とホームページに掲示・掲載するよう求めてもいます。国土交通省の説明では、この概算見積書に点検整備料金とあわせて法定費用も記されます。ホームページの料金ページも同じ形にしておくと、来店前と見積もりの数字がそろい、説明がぶれません。

車種別の総額を例で出す

総額は車の重さや年式、交換部品で変わります。だからといって「お問い合わせください」で逃げると、また比較から外れます。全部を網羅する必要はなく、代表的な車を2〜3例だけ載せれば、目安は十分に伝わります。

新車登録から13年・18年を超えた車は自動車重量税が上がります。古い車ほど車検で来店する機会は多いので、この一言があると、来店してから「話が違う」と言われずに済みます。総額そのものより、何が含まれて、何で変わるかが見えることを大事にしてください。

他店より高いときの出し方

自店の整備料金が近隣より高い。その自覚があるほど、料金を隠したくなります。けれど隠すと、人は「安い店と同じ作業を高く取る店」だと勝手に解釈します。高いなら、高い理由を価格のすぐ横に書きます。価格と、その価格で受けられることをセットにすると、安い店との違いが伝わります。

含まれているもの客が受け取る安心
国家資格の整備士による点検誰が見るか分かる。素人作業の不安が消える
代車・引き取り納車車のない時間を作らずに済む
整備後の保証・記録頼んだあとも面倒を見てもらえる
見積もり時の説明勝手に部品を替えられない安心がある

安さで比べられたら、設備も人もある店ほど不利です。土俵を「総額の安さ」から「この値段で受けられること」に移すために、料金は出します。出さなければ、その土俵にすら上がれません。

やってはいけない見せ方

料金を出すと決めたら、出し方で信頼を落とさないことです。次の見せ方は、来店してから不信に変わります。

来店後に不信を生む出し方

法定費用を含めない安い数字だけを大きく見せて、来店後に総額が跳ね上がる。「○○円から」とだけ書いて、結局その値段では受けられない。部品代や代車代を小さな注記に隠す――。こうした見せ方は、その場の問い合わせは取れても、見積もりで総額を見た瞬間に不信に変わり、次は来ません。安く見せて呼ぶより、総額を正直に出して納得で呼ぶほうが、長く続きます。

もう一つ、相場より極端に安い数字で釣るのも避けます。安さだけで来た人は、次にもっと安い店が出れば移ります。あなたが残したいのは、価格と中身を見て選んでくれる人のはずです。その人に向けて、総額と、その値段の理由を正直に並べてください。

今週やること ― 料金ページの下書き

難しく考えず、紙1枚で下書きを作ります。完璧な表を最初から作る必要はありません。

今週つくる料金ページの下書き
  1. よく入庫する車種を2〜3つ書き出す(軽自動車・小型・普通など)。
  2. 各車種の法定費用(自賠責・重量税・印紙代)の目安を調べて並べる。
  3. 自店の整備料金を足して、総額の目安を一行にする。
  4. 「車の状態で変わります」「13年超は重量税が上がります」の注記を添える。
  5. 料金の横に、代車・保証・国家資格など含まれるものを箇条書きで足す。

この下書きをホームページの料金ページに載せれば、見比べの段階で残れます。料金を見せても問い合わせが増えないなら、ホームページの作り自体に別の穴があります。反応の出ないホームページで最初に直す場所は、反応のないホームページ ― 整備・車検店が最初に直す4点でまとめました。

よくある質問

車検料金はホームページに載せたほうがいいですか。
載せたほうが問い合わせは取れます。車検を頼む人はまず複数の店をネットで見比べ、料金が見つからない店は候補から外します。出すと安さで負けると感じるなら、法定費用と整備料金を分けて「この車種なら総額いくら」という形で見せてください。安さでなく、何にいくらかかるかが分かることで選ばれます。
法定費用と整備料金は分けて出すべきですか。
分けてください。自賠責保険料・自動車重量税・印紙代の法定費用は国や保険会社へ納めるもので、店が値引きも上乗せもできません。整備工場は点検整備料金の概算を記した概算見積書を渡すよう国土交通省の指導要領で定められており、その概算見積書には法定費用も記されます。ホームページでも同じ形にすると、自店の整備料金が高いのか安いのかが正しく伝わります。
他店より高いので料金を出すのが怖いです。
高い理由を一緒に書けば、料金は出せます。代車・引き取り・整備の保証・国家資格の整備士など、価格に含まれているものを並べると、安い店との違いが伝わります。料金を隠したまま安い店と同じ土俵で比べられるほうが不利です。価格と、その価格で受けられることをセットで見せてください。
総額が車種で変わるのでホームページに書きにくいです。
代表的な車種を2〜3例だけ載せれば足ります。軽自動車・小型乗用車・普通乗用車のように分け、それぞれ法定費用と整備料金を合わせた総額の例を出します。注記で「車の状態や交換部品で変わります」と添えれば誤解は防げます。全車種を網羅する必要はなく、目安が分かることが大事です。
出典(取得日:2026年6月4日)
  1. 国土交通省「自動車整備事業の取扱い及び指導要領」(整備事業者は点検整備料金の概算を記載した概算見積書を依頼者に交付し、整備料金を車種別に事業場・ウェブサイトに掲示・掲載する)
    https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001899927.pdf
  2. 国土交通省「車検の費用の基礎知識」(概算見積書には点検整備料金の概算とあわせて自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料などの法定費用が記載される)
    https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/sikumi/houteihiyou.pdf
  3. 車検の法定費用に関する解説(普通乗用車の自賠責保険料24か月17,650円、印紙代は指定工場2,100円・認証工場2,600円、13年・18年超で重量税が上がる)
    https://ss.eneos-wing.co.jp/colum/carinspection-cost-tax/

料金ページの出し方を相談する

「自店は高いので料金の出し方に迷う」「車種別の総額をどう見せるか決めたい」など、ホームページの料金の見せ方を受け付けます。

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