なぜ車検店こそLINEと噛み合うのか

車検は、来ることが先に分かっている数少ない仕事です。乗用車は新車で3年、それ以降は2年ごとに必ず車検が来ます(道路運送車両法)。つまり一度入庫した客には、2年後にもう一度声をかける理由が確実にあります。問題は、その2年後に連絡が届くかどうかです。引っ越し・電話番号の変更・はがきの見落としで、案内が届かないうちに別の店に流れます。

LINEは、日本でほぼ全員が毎日見る連絡手段です。LINEヤフーの発表では、2025年12月末でLINEの国内月間利用者数は1億人を超えました。電話に出ない人も、はがきを捨てる人も、LINEの通知は開きます。来ると分かっている車検の案内を、その人がいつも見ている場所に置けるのが、車検店にとってのLINEの強みです。

古い車ほど車検・整備が増えます。自動車検査登録情報協会の調べでは、2025年3月末で乗用車の平均車齢は9.44歳と、33年連続で上がり続けています。長く乗る客が増えるほど、次の車検でまた来てもらえるかが入庫を左右します。その「また来てもらう」ための連絡を、あなたが確実に届けられるかどうかが分かれ目です。

最初に送るのは次の車検の案内

LINEで何を送るか迷ったら、答えは決まっています。今はがきで出している次の車検の案内です。新しい企画を考えるより、すでに効いている案内を、より確実に届くLINEに移すほうが先に成果が出ます。送り方は、全員への一斉配信ではなく、車検の時期が近い人へ個別に届けるのが基本です。

送るタイミング中身狙い
車検の2〜3か月前「○○様のお車、車検が△月です。空き状況をお調べします」他店に予約される前に、最初に思い出してもらう
1か月前(未予約なら)「そろそろご予約の時期です。ご都合のよい日をお知らせください」はがきの見落としを拾う。返信で予約まで進める
点検の時期「半年点検・オイル交換の時期です」車検の間の来店をつくり、関係を切らさない
作業の完了報告「本日の車検、完了しました。お気をつけて」引き渡し後の安心と、次につながる印象を残す

はがきとの違いは、相手がその場で返信できることです。「お願いします」の一言が返ってくれば、そのまま日時のやり取りに進み、電話をかけ直す手間が消えます。届く・読まれる・返ってくる、の3つがはがきより速いのが、車検案内をLINEで送る値打ちです。

友だちは引き渡しの場で増やす

LINEは友だち登録した人にしか届きません。だから始めてすぐは送り先がゼロで、ここで止まる店が多い。友だちを増やす一番確実な場所は、車検や整備の引き渡しのときです。代金を受け取り「ありがとう」と言ってもらえた、その場でQRコードを見せます。

一度に全員を登録させようとせず、来た客から一人ずつ積み上げます。月に何人来店するかを思えば、半年も続ければ送り先はまとまった数になります。

嫌われない頻度はどこか

LINEで一番こわいのは、ブロックされることです。用がないのに何度も送ると、相手は通知を切るかブロックし、二度と届かなくなります。一度切れた連絡は、はがきや電話より戻しにくい。だから送る回数は、相手にとって役に立つ範囲に抑えます。

送りすぎが招くこと

セールや関係ない案内を全員に何度も一斉送信すると、ブロックが増えます。ブロックされた相手には、次の車検の案内も届かなくなる。つまり目先の売り込みのために、一番届けたい車検の連絡先を自分でつぶすことになります。一斉配信は数を絞り、車検時期に合わせた個別の案内を中心にします。

目安は、車検・点検の時期が近い人への個別の案内が中心で、全員への一斉配信は月1回まで。一斉で送るのは、年末年始の休業、夏前の点検のすすめ、台風前の備えなど、相手の役にも立つ内容に限ります。「自分が客なら、この連絡は来てうれしいか」を送る前に一度考えれば、頻度はだいたい正しくなります。

慣れたら足す ― 予約とお知らせ

車検案内の配信に慣れてきたら、使い方を2つ足します。どちらも最初から無理に始める必要はなく、車検案内が回り出してからで間に合います。

予約の受け答え

案内を送ると「お願いします」と返事が来ます。そこで日時を決め、予約として受けます。電話だと営業中は出られず、客も時間を選んで掛け直す手間があります。LINEなら、手が空いたときに返せて、客も気軽に送れます。電話で取りこぼしていた予約を拾えるのが利点です。

季節の一斉お知らせ

全員に向けた一斉配信は、年末の混み具合や季節の点検案内など、相手にも役立つ内容に絞って月1回まで。ここで売り込みを詰め込むとブロックを招くので、あくまで「知らせると親切な情報」に限ります。お知らせは、店が今も動いていることを伝える役に回します。

はがき・電話との役割分担

LINEを始めても、はがきと電話はなくなりません。LINEは友だち登録した人にしか届かないので、登録していない既存客には今までどおりはがきや電話が要ります。当面は二本立てにし、登録者が増えるほどLINEの割合を上げ、はがき代と手間を減らしていきます。それぞれの役割を分けて考えると、どれに何を載せるかで迷わなくなります。

手段得意なこと苦手なこと
LINE登録者へ安く確実に届く。返信で予約まで進む未登録の人には届かない
はがき登録していない既存客にも届く。手元に残る印刷・郵送の費用と手間がかかる
電話急ぎ・込み入った相談に向く相手が出ないと届かない。掛け直しの手間
Googleマップ・ホームページまだ知らない新規客に見つけてもらう既存客の再来店には直接つながりにくい

新規を呼ぶのはGoogleマップやチラシ、料金や流れを見せるのはホームページ、そして一度来た客にまた来てもらうのがLINEです。新規集客の入口はGoogleマップ(MEO)の手入れに、何から手をつけるかの全体像は車検の入庫を増やす集客の順序にまとめました。

今週やること ― 始める手順

難しく考えず、登録の入口を作って、来た客から友だちを増やすところまでを今週のうちに動かします。

今週の手順
  1. LINE公式アカウントを開設する。最初は無料の枠で十分。
  2. 友だち登録のQRコードを1枚刷り、レジ横とピットに貼る。
  3. 引き渡しの声かけを決める。「次の車検の案内をLINEでお送りします」と添えてQRを見せる。
  4. 3か月後に車検が近い客のリストを記録から出す。
  5. 登録してくれた人から順に、車検の時期に合わせた最初の案内を送る。

この手順なら、特別な道具も費用もいりません。来た客から一人ずつ登録を積み上げ、次の車検が近い人へ案内を届ける。はがき代をかけずに、また来てもらう連絡を確実に届けるのが、LINE公式アカウントを始める一番の理由です。一斉配信や凝った使い方は、ここが回り出してから足せば間に合います。

よくある質問

LINE公式アカウントを始めるのにお金はかかりますか。
アカウントの開設と、ひと月に送れる通数の少ない無料の枠から始められます。友だちが増えて月に何通も一斉に送るようになると、通数に応じた有料の枠に上がります。まずは無料の枠で次の車検の案内を月に数回送る使い方から始め、友だちが増えてから有料を考えれば足ります。最新の通数と料金は提供元の公式ページで確認してください。
はがきや電話をやめてLINEだけにしてよいですか。
全部は寄せないでください。LINEは友だち登録した人にしか届かないので、登録していない既存客にははがきや電話が要ります。当面は、LINEで登録してくれた人にはLINEで、それ以外にははがきや電話で、と二本立てにします。登録者が増えるほどLINEの割合が上がり、はがき代と手間が減っていきます。
どのくらいの頻度で送ると嫌がられませんか。
用がないのに送ると、ブロックされて二度と届かなくなります。目安は車検や点検の時期が近い人への案内を中心に、月1回ほど。全員への一斉配信は、年末年始の休業や季節の点検案内など、相手にも役立つ内容に絞ります。一人ひとりの車検時期に合わせて送るほうが、数を抑えても効きます。
友だちを増やすにはどうすればいいですか。
車検や整備の引き渡しの場で、QRコードを見せて登録をお願いするのが一番増えます。次の車検の案内や予約がLINEで届くこと、登録すると連絡が早いことを一言添えます。レジ横やピットにQRを貼り、はがきにもQRを刷っておくと、来店のたびに少しずつ増えていきます。
出典(取得日:2026年6月4日)
  1. LINEヤフー株式会社「LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破」(2025年12月末時点)
    https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/020058/
  2. 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「自動車検査証の有効期間」(自家用乗用車は新車で3年、以降2年ごと。道路運送車両法)
    https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/about/inspect/validity-period/index.html
  3. 一般財団法人 自動車検査登録情報協会「わが国の自動車保有動向」(2025年3月末現在。乗用車の平均車齢9.44歳で33年連続上昇)
    https://www.airia.or.jp/publish/statistics/number.html

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