反応が落ちたのは紙のせいか、配り方のせいか

結論を分けると、紙そのものより配り方と役割の置き方が古くなっているケースがほとんどです。人がチラシを見てから来店するまでの動きが、ここ数年で一段増えました。昔は「チラシを見て電話」でしたが、いまは「チラシで知って、スマホで店名を検索し、Googleマップの口コミとホームページの料金を見てから決める」。確かめる工程があいだに入った分、チラシ単体の反応は薄く見えます。

これは紙が無力になったという話ではありません。知ってもらう入口としては、近隣に一斉に届くチラシはいまも強い。ただ、確かめる場所(地図・ホームページ)が貧弱だと、せっかく知ってもらっても確かめる手前で消えます。だから直す相手は紙だけでなく、その先の地図とホームページも含めてになります。

自店のチラシの反応を測る

「業種の平均は何%か」を調べても、自店の判断材料にはなりません。反応は地域・時期・配り方で大きく動くからです。意味があるのは、自店の配布が何台の入庫になったかの実数だけ。次の3つを、次の配布で必ず記録してください。

次の配布で記録する3つ
  1. 配布数:何枚、どのエリアに、いつ入れたか。
  2. 問い合わせ数:チラシを見たと分かる電話・来店・予約。聞き取りか、専用番号/クーポンで見分ける。
  3. 入庫数:そのうち実際に車検入庫になった台数。
配布1万枚 → 問い合わせ12件 → 入庫7台。入庫1台あたりのチラシ代=チラシ費用 ÷ 7。これと車検1台の粗利を比べる。

入庫1台あたりにかかったチラシ代が、車検1台の粗利を上回っていれば、その配り方は赤字です。下回っていれば続ける価値がある。「反応がない気がする」を、台あたりいくらの数字に変える。これだけで、来期の判断が勘から事実に変わります。チラシを見たと分かるように、専用の電話番号や切り取りクーポンを刷っておくと、記録が一気に楽になります。

既存客に折込を撒くのが一番もったいない

反応を下げている一番の原因が、名簿のある既存客にまで折込で撒いていることです。一度あなたの店で車検をした客は、名前・連絡先・車種・次の満了時期まで台帳にあります。その客に近隣一斉の折込で届けるのは、一番来てくれる客に、一番遠回りで声をかけています。

既存客には、はがき・SMS・電話で「○○様、お車がもうすぐ車検です」と名指しで直接知らせるほうが、折込よりはるかに当たります。折込で撒くべきは、まだ取引のない近隣の新規だけ。この配り分けをするだけで、同じ予算でも入庫の戻りが変わります。既存客の案内を仕組みにする手順は車検の入庫を増やす集客の順序でまとめました。

名簿があるのに使えていないなら

「誰がいつ満了か」を一覧で出せないと、名指しの案内は出せません。台帳が紙やExcelで散らばっているなら、満了日で並べ替えられる形に整えるのが、チラシの見直しより先に効きます。

チラシが効く一点 ― 満了が近い客へ早めに

チラシは届くタイミングで決まります。満了の手前に当てます。車検は満了日が一台ごとに決まっているので、案内は満了の手前に当てるほど反応します。

2025年4月から、車検は満了日の2か月前から受けられるようになりました(それまでは1か月前から)。受けられる時期が早まったので、案内を出せる時期も前に広がっています。満了2〜3か月前に最初の声かけ、1か月前にもう一度。早く声をかけた店が選ばれやすく、ぎりぎりまで待つと、その間に他店のチラシや地図検索に取られます。「いつ撒くか」を満了の時期に合わせるだけで、同じ紙でも反応が変わります。

紙・Googleマップ・ホームページの役割分担

チラシ単体で完結させようとすると、料金表も実績も地図も口コミも、全部を1枚に詰め込むことになり、かえって読まれません。役割を3つに分けると、それぞれが軽くなって効きます。

入口役割そこに載せるもの
チラシ知らせるキャンペーン・店名・電話・地図・検索の入口(QR)
Googleマップ確かめる(評判・場所)口コミ、写真、営業時間、サービス、ルート
ホームページ確かめる(料金・流れ)車検料金の目安、予約から引き渡しの流れ、予約の入口

チラシは「知らせて、確かめる先へ送る」までが仕事。だから紙には店名で検索してもらうきっかけ(QRコードや「○○市 車検 △△」で検索)を必ず入れ、その先のGoogleマップとホームページを先に整えておきます。地図の手入れはGoogleマップ(MEO)を整備・車検店で使うに手順を置きました。

来期のチラシ予算の決め方

ここまでの数字がそろえば、来期の判断は3択になります。

どれを選ぶにせよ、「去年と同じだから今年も同じ」だけはやめる。チラシは集客の順番でいえば最後の打ち手です。まず既存客の案内とGoogleマップという無料の入口を埋めて、それでも足りない新規の分を、測ったうえでチラシに使う。この順番なら、チラシ代は「なんとなく」から「台あたりいくら」の投資に変わります。

よくある質問

車検のチラシはもう古いのでしょうか。
古いのは紙そのものより、配り方です。店を知ってもらう入口としてチラシはまだ効きますが、人は紙を見たあとGoogleマップやホームページで確かめてから来店を決めます。だからチラシに全部を詰め込まず、知らせて地図やホームページへ送る役割に絞るのが今のやり方です。
車検のチラシは何枚撒けばいいですか。
枚数の正解はなく、自店の反応を測ってから決めます。1回の配布で、配った枚数・問い合わせ数・実際の入庫数を記録してください。配布数あたりの入庫が見えれば、増やす・減らす・配り先を絞るの判断が数字でできます。
既存客にもチラシを折込で撒くべきですか。
もったいない使い方です。名前と車種が台帳にある既存客には、はがき・SMS・電話で満了前に直接知らせるほうが安く、当たります。折込は、まだ取引のない近隣の新規に絞るのが効きます。
チラシとはがきはどちらが効きますか。
相手によって変わります。すでに来たことのある客にはがきやSMSで「もうすぐ満了です」と知らせるほうが、面識のない人へ折込を撒くより反応します。面識のない新規を増やしたいときは折込、という使い分けです。
出典(取得日:2026年6月3日)
  1. 国土交通省「自動車検査証の有効期間」自動車検査登録総合ポータルサイト(継続検査:自家用乗用車は初回3年・以降2年。2025年4月から満了2か月前受検が可能)
    https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/about/inspect/validity-period/index.html
  2. 一般財団法人 自動車検査登録情報協会「令和7年版 わが国の自動車保有動向」(2025年3月末現在。乗用車の平均車齢9.44歳で33年連続上昇)
    https://www.airia.or.jp/publish/statistics/trend.html

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