検索広告は「今すぐ探している人」を拾う集客

検索広告(リスティング広告)は、Googleで「地名 車検」「近くの 整備工場」と打った人の検索結果の、いちばん上に自店を出す仕組みです。料金は出した広告が押された回数で決まり、押されなければ費用は発生しません。地名・車種・サービスなど、客が打つ言葉を指定して、その言葉で探している人だけに絞って出せます。

この「探している人をその場で拾う」効きは、数字にも出ています。電通の調べでは、検索連動型の広告は2025年のネット広告媒体費の中で最も大きい38.7%を占めました。テレビやチラシのように広く知らせるのではなく、すでに困って言葉で探している人へ直接届く。だから多くの予算がここに集まります。あなたの店も、地名と車検で探している、まさにその日に動く人だけにお金を使えます。

広告は無料施策の上に積む

検索広告は、出した分だけ今すぐ上に出るかわりに、止めれば翌日には消えます。無料で残るGoogleマップやホームページが土台、広告はその上に乗せる買い足しです。土台がないまま広告だけ増やすと、繁忙期は出ても閑散期に止めた瞬間に来店が途切れ、毎月お金を払い続けることになります。

出して効く店・効かない店の見分け

同じ車検でも、検索広告がすぐ効く店と、先に直すことがある店に分かれます。出すか迷う前に、自店がどちらかを見てください。

見るところ出して効きやすい先に土台を直す
地図・ホームページ基本情報・口コミ・料金の目安が整っている地図が空欄、料金が一切載っていない
電話・予約日中は電話に出られる/ネット予約がある留守番電話のまま、折り返しもしない時間が長い
商圏の競合近隣に車検の店が多く、指名検索が伸びないそもそも近隣に客が少なく探す人が薄い
客単価車検+整備で数万円以上、利益が残る原価ぎりぎりの格安車検だけで利益が薄い

右の列に当てはまるなら、広告を出しても来た人を取りこぼすか、1件取っても利益が残りません。その場合は無料でできる土台を先に直します。左に当てはまるなら、次の上限計算へ進んでください。

1件の入庫にいくらまで出せるか

ここが迷いをほどく中心です。広告で1件の問い合わせを取るのにいくらかかるかは、月によって動きます。だから先に決めるのは「いくらまでなら払っていいか」という自店の上限のほうです。上限は次の3つの数字から出ます。

上限の出し方(数字は例。自店の値に置き換える)
  1. 車検1件で残る粗利を出す。例:粗利15,000円。
  2. そのうち広告に回してよい割合をかける。例:2割 → 1件の入庫に使える上限は3,000円。
  3. 成約率で割り戻す。問い合わせ3件で1件入庫なら、問い合わせ1件にかけてよいのは3,000円 ÷ 3 = 1,000円。
  4. この「問い合わせ1件あたり1,000円」を、広告を回しながら超えていないか毎月見る。超え続けるなら止めるか直す。

数字は店ごとに違うので、例の15,000円・2割・3件に1件を、自店の値に置き換えてください。大事なのは、出す前にこの上限が紙に書けていること。書けていれば、広告の管理画面で出てくる数字が高いか安いかを、その場で判断できます。

月いくらから、どう試すか

金額の下限は決まっていません。1日数百円から設定でき、月1万〜3万円でも回せます。ただし少額だと1か月で集まる問い合わせが数件にとどまり、効くか効かないかの判断がつくまで2〜3か月かかります。最初から大きく張らず、上限を守れる小さな額で試して数字を見る、という順番が無駄になりません。

1
キーワードを絞る
「地名 車検」「地名 車検 安い」など、客が打つ数語だけに絞る。「車検とは」のような調べ物の言葉は外し、今すぐ頼む気の言葉だけに出す。
2
地域を商圏だけに限る
店から通える範囲に配信地域を狭める。遠くからのクリックに費用を使わない。
3
1日の上限を低く置く
1日500〜1,000円など、月の総額が読める上限で始める。使いすぎる事故を防ぐ。
4
問い合わせを数えられるようにする
広告から来た電話・予約に「広告を見た」と一言聞く、専用の電話番号を出す、など。何件が広告経由か分からなければ、効いたか判断できません。

予算の全体をどう割り振るか、地図やチラシと広告のどれにいくら出すかは、整備工場の集客予算、何にいくら振るかでまとめています。

出す前に直す受け皿 ― ここが本丸

検索広告で多い失敗は、クリックは来るのに予約につながらないことです。原因はほとんどが広告ではなく、その先の受け皿にあります。広告を押した人がたどり着くページに、料金の目安・対応車種・予約か電話の入口が見当たらないと、その場で離れて別の店へ移ります。お金を払って連れてきた人を、最後の数秒で逃しています。

クリック単価を下げる前に

1クリックの料金を1円下げる工夫より、来た10人のうち逃していた人を1人つかむほうが、入庫への効きはずっと大きい。料金の見せ方とネット予約の入口を直してから広告を出すと、同じ費用で取れる入庫が変わります。受け皿の作り方は、ホームページの記事に分けてまとめています。

続けるか止めるかを何で決めるか

出してみたら、感覚ではなく数字で続けるか決めます。見るのは、さきほど計算した上限を、実際の費用が超えていないかの1点です。2〜3か月、月末ごとに次を確かめてください。

見る数字取り方判断
問い合わせ1件あたりの費用その月の広告費 ÷ 広告経由の問い合わせ件数上限(例1,000円)を下回れば続ける
入庫1件あたりの費用広告費 ÷ 広告経由で実際に入庫した件数1件の粗利の2〜3割に収まっているか
クリックと予約のずれクリックは多いのに問い合わせが少ない受け皿(着地ページ・電話)を直す合図

上限を超え続け、受け皿を直しても変わらないなら、その商圏では広告が割に合わないと判断して止めます。止めても無料の地図とホームページは残るので、来店がゼロになるわけではありません。逆に上限の中で回っているなら、繁忙期だけ予算を上げる、という使い方に進めます。

今週やること ― 30分の計算

広告の管理画面を開く前に、紙とスマホでできることがあります。出すかどうかは、この30分で決まります。

今週やる30分
  1. 車検1件で残る粗利を書き出す(売上ではなく利益)。
  2. 新規の問い合わせが何件に1件入庫になるか、肌感で書く。
  3. 粗利 × 2割 ÷ その成約率 で、問い合わせ1件あたりの上限を出す。
  4. スマホで「自店の地名 車検」と検索し、上の広告枠に競合が出ているか、自店のホームページに料金と予約口があるかを見る。
  5. 受け皿が弱ければ、広告より先にそこを直すと決める。整っていれば、月1〜3万円の少額で試す。

この順で進めれば、「出すか迷う」から「いくらまでなら出していい」に変わります。広告は最後に積む一手で、効かせる土台は無料の地図とホームページにあります。集客のどこから手をつけるかで迷っているなら、まず車検の入庫を増やす集客の順序を見てから、ここに戻ってきてください。

よくある質問

検索広告は月いくらから出せますか。
金額の下限は決まっていません。1日数百円から設定でき、月1万〜3万円の少額でも回せます。ただし少額だと1か月で集まる問い合わせが数件で、出るか出ないかの判断には2〜3か月かかります。最初は「1件の入庫にいくらまで出すか」を先に決め、その上限を守れる範囲で月の予算を組むのが順番です。金額より先に、自店の客単価と成約率から1件あたりの上限を出してください。
GoogleマップのMEOと検索広告は何が違いますか。
地図の手入れ(MEO)は無料で、効くまでに時間がかかるかわりに止めても消えません。検索広告は出した分だけ今すぐ上に出ますが、止めると翌日には消えます。順番としては、まず無料でできる地図とホームページを整えてから、それでも足りない入庫を広告で買い足すのが無駄になりません。土台がないまま広告だけ増やすと、クリックは来ても予約に変わらず、費用だけ出ていきます。
広告代理店に頼むべきですか、自分でやれますか。
月の予算が数万円なら、代理店の手数料(おおむね広告費の2割)を払うと手元に残る広告費が削られ、割に合いにくくなります。地名と車検を組み合わせた数語のキーワードで小さく始めるだけなら、自店でも設定できます。予算が月20万円を超え、キーワードや地域を細かく出し分けたい段階になってから、運用を任せるか検討すれば足ります。まずは自分で少額を回し、数字の見方を覚えるのが先です。
クリックは来るのに予約につながりません。何を直しますか。
広告でなく受け皿(着地ページと電話)を疑ってください。広告を押した人がたどり着くページに、料金の目安・対応車種・予約か電話の入口が見当たらないと、その場で離れます。スマホで自店の広告を押し、3秒で「いくらで、どう頼むか」が分かるかを確かめる。電話に出られない時間が多いなら、ネット予約や折り返しの仕組みを先に用意する。クリック単価を下げる前に、来た人を逃さない側を直すほうが効きます。
出典(取得日:2026年6月4日)
  1. 電通ほか4社「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表。インターネット広告媒体費の広告種別構成比=検索連動型広告が最大の38.7%。本詳細分析に広告種別内訳が掲載)
    https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html
  2. 一般財団法人 自動車検査登録情報協会「わが国の自動車保有動向/自家用乗用車の平均使用年数」(令和7年3月末現在。自家用乗用車の平均使用年数13.35年で4年ぶり長期化、自家用乗用車保有台数 約6,183万台)
    https://www.airia.or.jp/publish/statistics/trend.html
  3. 一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会(JASPA)「令和6年度 自動車特定整備業実態調査」(整備事業場 92,384、総整備売上 6兆2,561億円)
    https://www.jaspa.or.jp/Portals/0/resources/jaspahp/member/data/pdf/R06jittaityousa.pdf

検索広告を出すか、数字で見てほしい

「自店の客単価と成約率で、1件いくらまで出せるか一緒に出したい」「広告より先に直す受け皿はどこか見てほしい」など、集客の悩みを受け付けます。

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