まず反応率を出す ― 1万枚に1〜30件の幅

反応率は、戻ってきた件数を配った枚数で割って出します。計算そのものは単純です。

反応率の出し方
  1. 反応率(%)= 反応件数 ÷ 配布枚数 × 100
  2. 例:5,000枚まいて電話が4件 → 4 ÷ 5,000 × 100 = 0.08%

ポスティングの反応率は、業界でよく言われる目安で0.01〜0.3%です。1万枚まいて反応が1〜30件という幅で、商材の単価が高いほど低く出ます。車検や整備は単価が中ほどで、その地域の人がいつか必ず必要とする仕事なので、1回で売り切るより、名前と場所を覚えてもらって満了の時期に思い出してもらう前提で見ます。

ここで大事なのは、他店の平均と比べて一喜一憂しないことです。あなたの店は、その地域で何件戻り、その1件にいくらかけたか。見るのはこの自店の数字だけで十分です。古い車が増え続けて整備の需要が細っていないことは、数字でも裏づけられています。乗用車の平均車齢は2025年3月末で9.44歳と、33年連続で上がり続けています。困ったときに思い出してもらえる店でいられるかが、入庫の取り合いを決めます。

続けるか・やめるかは「1件あたりの原価」で決める

反応率を出したら、次は1件あたりの原価です。これが、続けるか・直すか・やめるかを分ける一番はっきりした物差しになります。

1件あたりの原価の出し方
  1. 1件あたりの原価 = 1回にかかった費用(印刷+配布) ÷ 戻った件数
  2. 例:印刷と配布で4万円かけて4件 → 4万円 ÷ 4件 = 1万円/件

あとは、この1件あたりの原価を、車検や整備1件で残る利益と並べるだけです。原価が利益を下回っていれば、まいた分は元が取れています。上回っていれば、同じやり方を続けるほど赤字が増えます。判断は次の表で切り分けます。

1件あたりの原価状態次の手
車検1件の利益を下回る元が取れている続ける。効いている地域へ枚数を寄せて伸ばす
利益と同じくらいとんとん中身か地域を直してから、もう1回だけ同条件でまいて比べる
利益を上回る赤字が増える枚数を絞るか、効いている地域だけに残す。残りはWebへ回す

新規の1件は赤字でも、車検は2年ごとに戻ってきます。2回目・3回目の入庫まで含めて元が取れるなら、初回の原価が利益を少し上回っても続ける判断はあります。とんとんの段に来たときに、いきなり全部やめずに「中身か地域を直してもう1回」と置いているのは、落ちた原因が中身か場所のどちらかなら、直せば段が一つ上がるからです。

原因①配る地域 ― 商圏の外まで広げていないか

反応が落ちた一番よくある原因は、配る範囲を商圏の外まで広げてしまっていることです。枚数を増やそうとすると、つい遠い地域まで配ります。けれど車検・整備で店を選ぶ人は「近くて、通いやすい」を重く見るので、遠い地域に配るほど反応は薄まります。

切り分けは簡単です。電話で来た人に「どのあたりからお越しですか」と一言聞いて、来店の多い地域を地図に印をつけます。前は来ていた地域から鳴らなくなったのか、もともと遠い地域には届いていなかったのかが見えます。店から車で15分ほどの範囲を中心に、来店実績のある地域へ枚数を寄せ、反応のない遠い地域は思い切って外します。同じ予算でも、近くに厚く配るほうが戻りが増えます。

原因②中身 ― 全部のせをやめて一つに絞る

どの地域から配っても反応が薄いなら、原因はチラシの中身です。よくあるのは、車検・点検・板金・タイヤ・買取まで全部のせて、結局「何でもやる店」としか伝わっていない形です。受け取った人は、自分の今の困りごとに合っていないと、数秒で資源ごみに回します。

直し方は、1枚で応える困りごとを一つに絞ることです。誰の・何の困りごとに・いつまでに・いくらで応えるかを、受け取った人が3秒で分かるように置きます。たとえば車検の満了が近い人だけに向けて、満了月・概算費用・予約の電話番号とQRコードを大きく出す。次の表の項目がそろっているかを点検してください。

載せる項目具体なぜ要るか
誰の困りごとか車検が近い/エアコンの効きが悪い/タイヤが古い自分ごとだと一瞬で分かると、捨てられずに読まれる
いくらか車検の概算費用、点検の価格を具体的な金額で料金が分かると、問い合わせ前の不安が消える
いつまでか「今月末まで」など、動く理由になる期限後でいいと思われず、その場で電話につながる
連絡の入口電話番号とQRコードを大きく。地図と駐車場の有無連絡先を探す手間で、せっかくの反応が消える

料金や車検の流れをじっくり見せる役は、本来ホームページが担います。チラシは「近くにこういう店があって、今これに応えている」と知らせて、電話かWebに渡すまでが仕事です。1枚に詰め込みすぎないほうが、かえって動いてもらえます。

原因③配る時期 ― 車検の満了と季節に合わせる

時期によって反応に波があるなら、配るタイミングが困りごとの時期とずれています。車検・整備は、相手が困ったその時にしか刺さりません。年中同じチラシをまくより、困りごとが出る少し前に合わせて配るほうが、同じ枚数でも戻りが増えます。

季節の困りごとに合わせると、チラシの中身を絞る原因②とも噛み合います。「夏前にエアコン点検だけ」のように、時期と中身を一つに合わせた1枚は、全部のせより伝わります。反応が落ちた地域でも、時期と中身を合わせて1回だけ同条件でまき直すと、原因が時期だったのか中身だったのかが切り分けられます。

今日やること ― 直近の1回を数字で振り返る

難しく考えず、まず直近にまいた1回を数字で振り返ります。手元の記録と電話のメモだけで足ります。

今日やる振り返り
  1. 直近の配布枚数・かかった費用(印刷+配布)・戻った件数を紙に書き出す。
  2. 反応率(件数÷枚数)と、1件あたりの原価(費用÷件数)を出す。
  3. 1件あたりの原価を、車検1件で残る利益と並べて、どの段にいるか印をつける。
  4. 電話で来た人に聞いた地域を地図に落とし、効いている地域・効いていない地域を分ける。
  5. 次の1回は、効いている地域に・困りごとを一つに絞った1枚を・その時期に合わせてまく。

この振り返りで、続けるか・直すか・やめるかが数字で決まります。元が取れていれば効く地域に寄せて伸ばし、赤字が増えているなら枚数を絞ってWebへ回す。感覚で止めず、1件あたりの原価で決めるのが、落ちた反応への一番冷静な向き合い方です。チラシ予算をWebへ回すかどうかの比べ方は、届かないチラシをWebへ回すかでまとめました。

よくある質問

ポスティングの反応率はどのくらいが普通ですか。
業界でよく言われる目安は0.01〜0.3%です。1万枚まいて反応が1〜30件という幅で、商材の単価が高いほど低く出ます。車検・整備のように単価が中ほどで、地域の人がいずれ必要とする仕事は、続けて名前を覚えてもらう前提で見ます。大事なのは他店の平均値より、自店が今まいて何件戻り、1件あたりいくらかかっているかです。
反応が落ちた原因を、どう切り分ければいいですか。
戻ってきた件数を、配った地域・チラシの中身・配った時期の3つに分けて並べます。前は戻っていた地域から来なくなったなら配る場所、どの地域からも薄いなら中身、時期で波があるなら配るタイミングの問題です。電話で来た人に何を見て連絡したか一言聞くだけでも、どこが効いていないかが見えます。
チラシに何を載せれば反応が上がりますか。
全部のせるより、誰の何の困りごとに、いつまでに、いくらで応えるかを1枚に絞ります。車検の満了案内、夏前のエアコン点検、冬前のタイヤなど、その時期に困る一つに合わせる。受け取った人がすぐ動けるよう、電話番号とQRコードを大きく、地図と駐車場の有無まで入れると、迷いが減って連絡につながります。
ポスティングはもうやめてWebに回したほうがいいですか。
全部やめる前に、1件あたりの原価で比べてください。チラシ1件あたりの単価が車検の利益を超えて続くなら、配る枚数を絞るか、効いている地域だけに残します。やめた予算は、地図で見つけてもらうGoogleビジネスプロフィールの手入れや、料金を見せるホームページに回すと、いずれ困った人に見つけてもらえる土台になります。
出典(取得日:2026年6月4日)
  1. 一般財団法人 自動車検査登録情報協会「わが国の自動車保有動向」(2025年3月末現在。乗用車の平均車齢9.44歳で33年連続上昇)
    https://www.airia.or.jp/publish/statistics/trend.html
  2. 一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会(JASPA)令和6年度 自動車特定整備業実態調査(事業場92,384・整備要員402,025人・総整備売上6兆2,561億円)
    https://www.jaspa.or.jp/Portals/0/resources/jaspahp/member/data/pdf/R06jittaityousa.pdf
  3. ポスティングの反応率の目安(0.01〜0.3%)と計算式は配布代理各社が公表する一般的な目安。自店の実数は配布枚数・費用・反応件数から各店で算出(本文の計算式を参照)。

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