なぜ「自動車整備」「車検」の一語を狙わないのか
最初に捨てる言葉をはっきりさせます。「自動車整備」「車検」だけの一語は、検索回数こそ多いものの、あなたの店が狙う言葉ではありません。理由は2つです。
1つめは、勝ち目がないこと。この言葉では全国の大手チェーン、車検ポータル、整備の解説サイトが上を占めていて、地域の一店舗がそこに割って入るのは現実的ではありません。日本自動車整備振興会連合会の令和6年度調査では、整備事業場は全国で9万2,384に上り、3年連続で増えています。同じ言葉を狙う相手がそれだけいるなかで、規模で勝てない一語に時間をかけても順位は上がりません。
2つめは、来ても遠いこと。「車検」とだけ調べる人は、まだ業者を比べる前の段階で、しかも全国どこにいるか分かりません。仮に上に出ても、あなたの商圏の外の人ばかりなら来店にはつながりません。総務省の令和6年版情報通信白書によれば、日本ではGoogleが検索の7割超を占めます。その同じGoogle上で、地域の店が勝てて来店も近いのは、一語ではなく次に見る掛け合わせの言葉です。
キーワードは「来店の近さ」と「勝ち目」で選ぶ
狙う言葉は、思いつきや検索回数の多さで選びません。次の2つの軸で点検し、両方が高いものから手をつけます。
- 来店の近さ:その言葉で探す人が、今すぐ店を頼みたい度合いです。「車検 とは」で調べる人は勉強中ですが、「○○市 車検 予約」で探す人は今日明日にも頼みたい。後者を狙います。
- 勝ち目:あなたの店が上位に出せる見込みです。地名や具体的な悩みを足すほど、狙う相手が近隣の数店に絞られ、出しやすくなります。
この2軸で見ると、答えは自然と「地名×具体サービス」に寄ります。地名を足せば勝ち目が上がり、具体サービスを足せば来店の近さが上がる。「近くの○○」と地名を入れない検索もこのとき自店を拾うので、店の所在地が正しく伝わっていることが前提になります。
「検索される回数が多い言葉ほど得」と考えがちですが、回数が多い言葉ほど勝ち目が下がり、来店も遠くなります。月に数回しか検索されなくても、「○○市 車検 土日」のように来店が近くて勝てる言葉のほうが、入庫の数では上回ります。
整備工場が狙える言葉を4タイプで見る
では具体的にどんな言葉が候補になるか。整備工場の検索を、来店の近さが高い順にタイプ分けすると、狙う優先順位がそのまま見えます。地名(○○)はあなたの市区町村や近隣の地名に置き換えてください。
| タイプ | 検索語の例 | 来店の近さ | 優先 |
|---|---|---|---|
| 地名×車検・予約 | ○○市 車検/○○ 車検 安い/○○ 車検 土日 | 高い(今すぐ頼みたい) | 最優先 |
| 地名×困りごと | ○○ 車 異音/○○ エンジン警告灯/○○ バッテリー 上がり | 高い(今困っている) | 次に着手 |
| 地名×軽整備 | ○○ オイル交換/○○ タイヤ交換 工賃/○○ 板金 見積もり | 中(比べてから頼む) | 3番目 |
| 悩み・調べもの | 車検 必要書類/ブレーキ 鳴き 原因/車検 何日かかる | 低い(まだ勉強中) | 余力で |
上の2タイプ、地名を足した「車検・予約」と「困りごと」が、来店に最も近い言葉です。ここから着手します。一番下の「悩み・調べもの」は地名が付かず勝ち目はありますが、その場では頼まない人が多いので、上が片付いてからにします。
実際に検索される言葉を無料で見つける
タイプが分かったら、机上で想像せず、実際に検索されている言葉を拾います。お金をかけず、今日できる手は次の3つです。
- Google検索の入力欄に「地名 車検」と打ち、下に自動で出る候補を書き出す。これは実際に多く検索されている言葉です。
- 検索結果ページの一番下にある「他の人はこちらも検索」の語句を書き出す。関連して探されている言葉が並びます。
- 受付や電話で、客が実際に口にした言い回しをメモする。「ブレーキがキーって鳴く」「車検の見積もりだけ欲しい」など、生の言葉がそのままキーワードになります。
集めた言葉を、先ほどの4タイプに振り分けます。すると「○○市 車検 安い」「○○ ブレーキ 異音」のように、あなたの店が答えられて、しかも来店が近い言葉が10〜20語は出てきます。これがSEOで対策する候補です。検索した人の所在地で結果が変わるので、自分のスマホで自店の地名を入れて確かめるのが一番確かです。
選んだ言葉に1ページずつ答える
狙う言葉が決まったら、その1語に正面から答えるページを1枚ずつ用意します。ここを「とにかくブログを増やす」と取り違えると、数は増えても順位は上がりません。Googleは、検索した人の問いにきちんと答えるページを上に出すからです。
- 1キーワード=1ページ。「○○市 車検」なら、料金・必要書類・予約方法・所要時間を1ページにまとめて答えます。
- タイトルと見出しに、狙う言葉をそのまま入れます。「○○市の車検なら|料金と予約」のように、検索語と中身を一致させます。
- その問いに本当に答えているかで判断します。日記のような更新ではなく、「この1問にこのページで答えきった」と言える状態にします。
ホームページのトップだけで全部の言葉を狙うのは無理があります。狙う言葉の数だけページを用意し、それぞれを1つの問いに専念させるのが、結局は上がる近道です。料金を出すか迷うなら反応のないホームページの直し方もあわせて確かめてください。
地図(MEO)と並行で育てる順番
SEOに手をつける前に、もう一段早く効く場所があります。Googleマップの店情報(Googleビジネスプロフィール)です。「地名 車検」で探す人の多くは、検索結果の上に出る地図の3件をまず見て選びます。ここは費用ゼロで整えられ、ホームページのSEOより早く来店に効きます。
順番としては、先に地図を整え、同時にホームページのSEOを育てます。地図は「近くで今すぐ」を拾い、ホームページは料金や作業の中身をじっくり見たい人や、地図で拾いきれない検索を受けます。「車検 ○○市」で自店が出ないときに、地域名の検索で何を作るかを具体的にまとめています。どちらを先に手をつけるか迷うならMEOとSEOどちらが先かを先に読んでください。
今週やること ― キーワードの棚卸し
難しく構えず、まず自分の商圏で実際に検索される言葉を書き出すところから始めます。15分で終わります。
- スマホで「地名 車検」と検索し、自動で出る候補と「他の人はこちらも検索」を10語書き出す。
- 受付や電話で客が口にした言い回しを、思い出せるだけ足す。
- 書き出した言葉を「地名×サービス」と「悩み・調べもの」に仕分ける。
- 「地名×サービス」のなかから、来店が近くて自店が答えられる3語に丸をつける。
- その3語それぞれに、1ページで答えるなら何を書くかを1行ずつメモする。
この15分で、何のキーワードで対策するかが3語に絞れます。あとはその3語に1ページずつ答え、地図を並行で整える。大きい一語を捨てて、地名×サービスから着手するのが、検索からの来店を一番安く増やす入口です。
よくある質問
「自動車整備」のような大きいキーワードで対策すべきですか。
キーワードはどうやって見つければいいですか。
SEOとMEO(Googleマップ対策)はどちらを先にやればいいですか。
ブログを書けば検索で上に出ますか。
- 一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会(JASPA)「令和6年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について」(令和6年6月30日現在。事業場数9万2,384・3年連続増、総整備売上高6兆2,561億円)
https://www.jaspa.or.jp/Portals/0/resources/jaspahp/member/data/pdf/R06jittaityousa.pdf - 総務省「令和6年版 情報通信白書」検索サービス(2024年1月時点で日本のPC・スマホ・タブレットいずれもGoogleが7割超のシェア)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd217300.html - Google「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」Google ビジネス プロフィール ヘルプ(ローカル検索のランキングは関連性・距離・知名度で決まる)
https://support.google.com/business/answer/7091?hl=ja
狙うキーワードを一緒に絞る
「自店の商圏で何の言葉が検索されているか見てほしい」「3語に絞って1ページずつ作りたい」など、検索からの集客の悩みを受け付けます。
相談する(準備中)お問い合わせ窓口は近日開設します。